陸 その１
初めて付き合う異性はどんな人なんだろう?
でも、
年上のお姉さんがいいという理想は持っていた。
詳しくは覚えてないが、
中学2年の頃の俺にはそんな気持ちが確実に芽生えていた。
今の人からしたら、
鼻で笑うような話かもしれない。
しかし、
今と違い中学生は当然として早熟な小学生なら付き合うこのご時世！？
当時は、
中学生男女は付き合うだけでも冷やかされる時代だ。
中学生、高校生と女っ気なく学校生活が進み、
いよいよ周囲には
彼女がいて当然な空気感ができていた。
しかし、
依然彼女がいない俺。
加えて話し方もわからない、
もっと言えば、工業高校だったため、女子がいない。
日々、学校への往復時に見る近所の普通高校の高校生。
男女グループでワイワイしてたり、
カップルが自転車で一緒に帰ったりなど、
ひがみこそしなかったが、正直言えばうらやましく思ったもんだ。
バイト先で女性がいてもやはり、
うまくしゃべれない。
(肉体労働よりだったため、女性はほぼ皆無。いてもベテランのお姉さま方が多数)
そして、
とうとう彼女どころか親しい女性もできないまま、
高校生活が終わる。
その後、
進学して20歳になる頃だろうか…
このままでいいのだろうか？と自問自答する。
自分なりに何か思うことがあったのだろう。
高校時代より、お中元・お歳暮の時期だけお世話になっていたバイト先で、
その年のその時期だけは、いつもより年の近い女性が多かった。
その中で1人の女性をやけに気に入ってしまい、
自分なりに頑張り、
声をかけ、話がつながるようにし、リサーチし、
これはイケるか!?と思い、誘いをかける！
その間、何日要しただろう？
たかだかバイトの間の数時間、
そして話せる時間なんて、
検品してもらうときや掃除のときなどの5分前後だっただろうか？
そんなコマ切れの時間を積み重ね、
色々とリサーチしたわけだ。
だが、こんな会って間もない人と付き合おうとしてもいいものなのか?
これは一時の気持ちなだけではないのか？
でも、バイトの期限もこのお歳暮時期のみだ。
伝えなければ公開するのではないか？
女性慣れしていなかった、
俺は感情が行ったり来たりしていた。
そして、相手の女性に質問を投げかけ、
返事をもらうまではたかだか数秒だっただろうが、
俺には朝飯を食べてから昼飯の時間くらいの長さに感じた。
結果はOKだった！
うれしい！やったーっ！ばんざい！な気持ちと同時に
あれ？意外にすんなりいっちゃった？
まぁ、いいや。
俺もやればできるじゃないか！
これで、彼女いない歴=年齢 にピリオドを打てる。
友人などからの「彼女いるの？」といううざい質問に対して「いるよ」と返答ができる。
そして、昔からの夢だった、年上の彼女。
などと、そんな事を思っていた。
そして、デート当日を迎えるのであった…
続く
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